「あれ?なんだかいつもと違う気がする……」そんな、ふとした瞬間に気になる、おりものの変化。においが前より強くなったような気がしたり、色や量に変化を感じたり、でも誰かに相談するには少し勇気がいる——
そんな思いを抱える方は実は少なくありません。
40代は、女性ホルモンの分泌がゆるやかに変化しはじめる時期。おりものの状態が変わるのは、その“体のリズムの変化”を知らせる自然なサインでもあります。
今回は、おりものの役割から変化の原因、そして今日からできるやさしいセルフケアまで、やさしく丁寧にご紹介します。
おりものって何? 「あなたの体を守ってくれている存在」

おりものは、膣や子宮頸部から分泌される粘液で、私たちの体を内側から守ってくれている大切な存在。次のような役割を主に担っています。
外からの細菌や異物の侵入を防ぐ
生理周期に合わせて、排卵や妊娠のサポートをする
健康な状態では、透明~白っぽく、さらっとしていたり少しとろみがあったり、においもほとんど気にならない程度が一般的です。
ただし、おりものの状態は、女性ホルモンの分泌や体調の変化にとても敏感。だからこそ、変化に気づくことは、体からの小さなメッセージを受け取ることでもあります。
40代女性が感じやすい「おりものの変化」とは?

FEMILIE編集部にも、40代女性からさまざまな声が寄せられます。
「前よりにおいが強くなった気がする」
「排卵期じゃないのに、量が多い感じがする」
こうした変化の多くは、プレ更年期と呼ばれる時期に見られるホルモン変動の影響によるものです。
40代に入ると、エストロゲンの分泌が不安定になり、膣内のpHバランスや分泌物の質に変化が出やすくなります。
ただし、以下のような症状には注意が必要です。
魚のような強いにおい
かゆみ、痛み、腫れを伴う
これらは、細菌性膣炎や性感染症などの兆候かもしれません。「少し気になるかも…」という段階で、婦人科を受診するのが安心です。
おりものが変わる主な原因とは?

1.ホルモンバランスの変化
40代以降、エストロゲンの分泌が減少していくことにより、おりものの分泌量や質に影響が出てきます。膣のうるおいが減ることで、乾燥や違和感を感じやすくなる方も。
2.ストレスや生活習慣
睡眠不足や食生活の乱れ、慢性的なストレスは自律神経や免疫力に影響を与え、膣内環境を悪化させる要因となります。
3.感染症や体調不良のサイン
- カンジダ膣炎:白くぽろぽろしたおりもの+強いかゆみ
- 細菌性膣炎:灰色がかったおりもの+強いにおい
- トリコモナス感染症:泡状のおりもの+炎症・不快感
「いつもと違う」と感じたときこそ、早めの対応が大切です。
おりもの独特の匂いの正体は?

「匂いが気になる…」でも実は、おりものには本来からだ特有の匂いがあるもの。膣内の常在菌や分泌物が混ざり合うことで生まれる、生理的なものです。
とくに排卵期や生理前は、ホルモンの影響で匂いが変わりやすくなることも。すべてが「異常」や「病気」というわけではありませんが、以下のような場合は注意が必要です。
ツーンとした刺激臭
かゆみや痛みもある
このようなときは細菌性膣炎や性感染症などの可能性もあります。「気になる」段階で早めに婦人科に相談できると、安心につながりますね。
気づいたときに始めたい、やさしいセルフケア3選

1.やさしく洗う
デリケートゾーンは皮膚が薄く、pHバランスもデリケート。弱酸性の専用ソープを手のひらで泡立ててやさしく洗いましょう。ナイロンタオルやボディソープは刺激が強すぎることがあります。
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2.下着の見直し
通気性の良いコットン素材の下着を選び、締めつけすぎないフィット感を。湿気や蒸れは、細菌繁殖の温床になりやすいので要注意です。おしゃれでスタイリッシュなおりもの用下着も増えています。ぜひ活用したいですね。
3.市販アイテムを上手に使う
スーパーやドラッグストアでもおりもの用の市販アイテムは手に入りますが、「ちょっと買いにくい」という場合は、ECサイトを利用するのが便利です。
デリケートゾーン用保湿ジェルやオイル(乾燥ケアに)
無香料・低刺激のケア製品を選ぶことが基本です。
(※香り付きや抗菌作用の強すぎるものは、かえって刺激になることも)
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「病院に行くべきか迷う…」そんなときの目安

こんなサインがあれば、ためらわずに婦人科へ。受診の前に、「いつから?」「どんなふうに変わった?」とメモしておくと、医師に伝えやすくなりますよ。
おりもののにおいが急に強くなった
かゆみ、痛み、赤み、腫れがある
性交時に出血や強い違和感を感じる
実際の声 | みんなも、ひとりで悩んでいた

「おりものが増えた気がして不安に。婦人科で診てもらったらプレ更年期の影響とのこと。ちゃんとわかって安心しました」(41歳・主婦)
「恥ずかしくて相談できなかったけど、カンジダと分かってすぐ治療。勇気出してよかった」(44歳・会社員)
――こうした声に触れると、「あ、私だけじゃないんだ」とほっとしますよね。
不安になったときこそ、適切なケアと、必要なら医師の力を借りることが、心と体の安心につながります。
最後に | おりものは、体がくれる小さなサイン

40代の私たちは、人生のなかでもとくに変化の多い時期を迎えています。おりものの変化は、その「変わりゆくからだ」がくれる、小さな手紙のようなもの。
でも、正しい知識とやさしいケアがあれば、不安はちゃんと安心に変わります。どうか、ひとりで抱え込まず、あなたの体の声に、やさしく耳を傾けてみてくださいね。体はいつでも、あなたの味方でいてくれます。