イライラ、涙…ゆらぎやすい40・50代の情緒と上手く付き合うには?

「涙もろくなった」「こんな自分、昔はもっと落ち着いていたのに」「イライラが止まらない」ふとした一言に涙が出たり、どうでもいいことにカッとなったり……そんな自分に戸惑っていませんか?

40代から50代にかけて訪れる更年期やプレ更年期は、心の波がこれまでよりずっと大きくなる時期。自分でもどうしようもない感情のゆらぎに戸惑うのは、あなただけではありません。

それは、あなたが弱くなったからでも、感情的すぎるからでもなく、“心と体が本気で助けを求めているサイン”かも。今回は、40・50代の揺れやすい心との付き合い方についてご紹介します。

目次

なぜ、40・50代を迎えると情緒が不安定になりやすいの?

更年期やプレ更年期に入る40代後半から50代は、女性にとってまさに“心身の再構築期”。その背景には、いくつかの重要な要因があります。

1.女性ホルモンの減少による自律神経の乱れ

女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少すると、自律神経のバランスが不安定になります。その影響で、感情をコントロールしにくくなったり、突然涙が出たり、不安感が強まったりすることがあるのです。

2.人生の負荷がピークを迎える時期

家庭、仕事、子育て、介護……さまざまな役割に追われ、自分自身を後回しにしてしまいやすい時期。気づかぬうちに心の余裕がなくなり、些細なことでも感情があふれてしまうのは自然なことです。

3.「この先どう生きたいか」を考える時期でもある

見た目や体力の変化、子どもの成長や親の老い、自分のこれからの人生……これまでの歩みと未来を見つめ直す節目に、不安や迷いが心の中に波紋を広げることもあるでしょう。

感情の波にやさしく向き合う3つのステップ


1. 感情を否定しない

イライラしても、涙が出ても、「ダメな私」と責めないでください。感情はあなたの大切な内側の声。感じていることを無理に抑えず、「私は今、こんな気持ちなんだな」と受けとめることが、回復への第一歩です。

感情は、あなたの声。無視せず、やさしく受けとめてあげましょう。

ステップ2|自分の“心のクセ”を知る

心のゆらぎには、一定のリズムや傾向があります。

生理前になると落ち込みやすい
空腹時に怒りっぽくなる
週末になると涙もろくなる

こうした“情緒のパターン”に気づくと、冷静に自分の感情を見つめ直すことができます。そして、家族やパートナーにひとこと伝えておくだけで、摩擦や誤解を防ぐ助けにもなります。

「今日はちょっと感情が不安定かも」

そんなひと言が、思いやりの橋渡しになるかもしれません。

3. 感情をやさしく“流す”習慣を持つ

我慢や抑圧ではなく、「流す」という感覚を持つことが、心にやさしいケアになります。

深呼吸で身体をゆるめる
思いを書き出して整理する
映画を観て涙を流す
好きな香りを吸い込む

無理に前向きになろうとせず、感情を静かに手放すための習慣を日常に取り入れてみましょう。

ゆらぐ心を整えるセルフケア習慣


呼吸で整える「4-8呼吸法」

副交感神経を刺激し、心を落ち着かせるためにおすすめなのが、「4秒吸って、8秒吐く」呼吸法です。

① 背筋を伸ばして、楽な姿勢をとる
② 鼻から4秒かけて息を吸う
③ 口から細く長く、8秒かけて吐き出す
④ 3〜5分繰り返す

「安心していいよ」と、自分に優しく語りかけるような感覚で行ってみてください。

手を温めて“緊張をゆるめる”

手には多くの神経が集まっており、温めることで全身のリラックスにつながります。

 洗面器にお湯を張って手を浸す
 ハンドクリームでゆっくりマッサージ
 温かいタオルで手を包む

「今日も一日、お疲れさま」と自分に言ってあげるような気持ちで。

5分間の“ひとり時間”をつくる

忙しい毎日の中で、ほんの5分、自分だけの静かな時間を確保することで、心の軸が整いやすくなります。

スマホを置いて、深呼吸だけする
空を眺めながらお茶を飲む
好きな音楽を1曲聴く

「誰かのため」から「自分のため」の時間へ、少しだけ切り替えてみましょう。

香りの力で気持ちを調律する

香りは、感情に直結する大脳辺縁系に働きかけ、瞬時に気分を変えてくれるサポート役になります。

ラベンダー:不安や緊張に
ゼラニウム:ホルモンのゆらぎに
ベルガモット:気分が沈む日に
フランキンセンス:思考がまとまらないときに

ハンカチに1滴垂らしたり、マグカップにお湯と一緒に香らせたり、好みに合わせて取り入れてみてください。

“ひとり時間”の新しい形としてのセルフプレジャー

セルフプレジャーは、自分の身体を優しく感じる時間。近年は、心身のリラクゼーションや更年期ケアとしても注目されるセルフケアの一つです。

オキシトシンやセロトニンが分泌され、安心感が得られる
骨盤周辺の血流が促され、冷えやむくみの対策にも

「こうしなきゃ」というルールは必要ありません。ただ、あなた自身が心地よいと感じる時間をもつことが大切です。

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まとめ|感情が揺れるのは、ちゃんと“生きている証拠”

40・50代の女性が感じる情緒の波。それは、これまで頑張ってきたあなたの心と体が、今必要な“やさしさ”を求めている証です。

泣いても、怒っても大丈夫。ときには立ち止まり、深呼吸しながら、あなたのペースで心を整えていきましょう。

心の波とうまくつきあうことは、自分への信頼を取り戻すプロセスです。

あなたは、十分にがんばっています。どうか、今日のあなたにも「ありがとう」を伝えてあげてくださいね。

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