「最近、肌が乾燥しやすくなった気がする」「夜中に何度も目が覚めてしまう」「ちょっとしたことで気分が沈んでしまう」そんな変化を感じること、ありませんか?実はその悩み、同世代の多くの女性が抱えています。
“小さな不調”に向き合うためのアクションとして見直したいのが「フェムケア」です。実はいま、フェムケアが改めて注目され、どんどん身近になっています。フェムケアはまさに今の私たち世代こそ必要としているケア。最近では、テクノロジーを活用して女性の体をサポートする「フェムテック」の選択肢も増えてきました。
今回は、変化が多い50代こそ知りたい正しい知識と、自分に合ったケア選びについてご紹介します。身体も心も快適になるヒントを見つけてくださいね。
50代の私たちに訪れる“体と心の変化”と“ケア”の必要性

「最近、体が思うようについてこない…」「急に気持ちが落ち込んだり、涙が止まらなくなったりすることがある」
こんな、これまでになかった心と体の“ゆらぎ”を感じている方も多いのではないでしょうか。
そのゆらぎの原因のひとつが、更年期にともなうホルモンバランスの変化です。女性ホルモン(エストロゲン)は50代に入ると急激に減少し、次のような症状があらわれやすくなります。
急な発汗や寝汗
寝つきが悪い・眠りが浅い
イライラや気分の落ち込み
尿もれ、頻尿
膣の乾燥・かゆみ・違和感
こうした変化に対して、「年だから仕方ない」「恥ずかしくて言いづらい」と我慢してしまう方も少なくありません。でも、本当はもっと自分をいたわっていい時期。
そんな揺らぎの時期に、私たちの選択肢として登場したのが、「フェムテック」です。
不調を見える化し、ケアを支える「フェムテック」
この2つをうまく取り入れていくことで、日々の不調やつらさが、少しずつおだやかに変わっていくこともあるのです。
フェムケアとフェムテック、どう違うの?

最近よく耳にする「フェムケア」や「フェムテック」という言葉。似ているようで、意味が少し違います。
フェムケアとは?
女性の体や心を日々やさしくケアすること。たとえば、デリケートゾーンの洗浄や保湿、骨盤底筋トレーニング、婦人科への相談など、生活に寄り添った習慣です。
フェムテックとは?
女性特有の不調やライフステージに向き合うテクノロジーやサービスのこと。生理アプリ、骨盤底筋サポートアイテム、更年期ウェアラブル機器などが該当します。
フェムケアは、“心と体へのやさしい手当て”
フェムテックは、“それをサポートしてくれる道具や技術”
両方を上手に取り入れることで、より心地よい毎日が近づいてきます。
フェムケアって、具体的に何をすればいいの?

「フェムケアって、何から始めればいいの?」そう戸惑う方もいるかもしれません。でも実は、難しいことではありません。いつものケアに、ちょっとした意識をプラスするだけでOKなのです。
保湿ジェルやオイルでうるおいケアをする
骨盤底筋を鍛える簡単な体操をする
気になる症状があれば婦人科で相談する
セルフプレジャーなど、セクシャルウェルネスを意識した時間を持つ
「誰かのため」ではなく、“私自身”のためのケアであるという意識こそ、大事なポイントです。
今日からできる!50代におすすめのフェムケア6選

50代の私たちの体と心をおだやかに整えていく日々の習慣としておすすめしたいフェムケアは、どれも難しいものではありません。大切なのは、「がんばる」よりも「やさしく、心地よく続ける」こと。
自分をいたわることに遠慮はいりません。日常にほんの少しの習慣を加えるだけで、心も体ももっと軽やかになっていきます。
1.デリケートゾーンは、専用ソープでやさしく洗う
私たちが普段使っているボディソープや石けんは、洗浄力が強すぎることも多く、実はデリケートゾーンには刺激が強すぎる場合があります。その結果、乾燥やかゆみ、黒ずみといったトラブルを引き起こしてしまうことも。
デリケートゾーン専用のソープは、膣まわりのpH(弱酸性)に合わせてつくられており、必要なうるおいを守りながらやさしく洗浄してくれます。無香料・低刺激のものがおすすめ。お風呂のときに泡でなでるように洗うだけでOKです。
POINT:こすらない・中まで洗わない・お湯でしっかり流す
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2.うるおいケアで、ふっくら快適に
顔や手にはていねいに保湿をするのに、デリケートゾーンはつい忘れがち……しかし50代になると、女性ホルモンの減少により膣まわりの粘膜も乾燥しやすくなり、かゆみや違和感が出やすくなります。
ぜひ保湿作用のある専用ジェルやオイルをお風呂あがりに1日1回、外陰部にやさしく塗ってみてください。お手入れにはじめは少し抵抗があるかもしれませんが、「あれ?いいかも」と変化する方がとても多いんです。
香料・添加物が少ないものを選びましょう
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3.骨盤底筋を鍛える
「くしゃみをしたときにヒヤッとした」「電車で席を立ったとき、ちょっと心配…」実はそれ、骨盤底筋のゆるみが原因かもしれません。骨盤底筋は、膣や膀胱、子宮などの臓器を下から支えている筋肉。加齢や出産を経て、徐々に弱くなっていきます。
そこでおすすめなのが、1日5分、座ったまま・寝ながらできるエクササイズ。尿もれ・たるみ予防になり、下腹部の引き締めにも効果◎です。
基本のやり方:
① おしっこを途中で止めるように、膣をキュッと締める
② 3秒キープして、 ゆっくり力を抜く
③ この動作を10回程度、1日数セットおこなう
☞ コツ:肩やお腹に力を入れすぎず、呼吸は止めずにゆったりと。テレビを見ながら、通勤電車の中でも。
4.気になるときは、婦人科へ早めに相談
「年齢のせいだし…」「こんなことで病院に行くのもなぁ」そんなふうにためらっていませんか?実は、更年期やデリケートゾーンの悩みは専門的なケアで改善できることも多いのです。更年期外来や女性外来は、こうした悩みに寄り添ってくれる心強い存在です。
婦人科は、生理や妊娠のためだけの場所ではありません。「50代からの女性の体をサポートする場」として、もっと気軽に頼ってくださいね。
POINT:かゆみ・乾燥・性交痛・頻尿・気分の落ち込み・不眠などがあれば、一度婦人科に相談
5.セルフプレジャーを味方に
近年、見直されている習慣が「セルフプレジャー」です。「性=パートナーとのこと」だと思われがちですが、でも本当は、自分の内側から始まるもの。自分の心と体をつなぎ確かめる、自己対話のための時間でもあります。
POINT:セルフプレジャーのメリット
膣まわりの柔軟性を保つ
自律神経の安定やストレス軽減をもたらす
「自分に向き合う」ことは、50代だからこそ取り戻したいセルフケアのひとつです。年齢に関係なく、女性であることを楽しんでいい——そんな気づきにもつながります。
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6.パートナーとの対話も、大切なフェムケア
「最近、性のことがちょっとつらい」「前より、気持ちよさを感じづらくなった」そんな変化を、パートナーとどう共有すればいいのか悩んでいませんか?
そんなとき、実は相手も「何をしていいかわからない」「傷つけたくない」と迷っていることが多いもの。勇気を出して「こう感じているんだ」と伝えることで、関係が深まることもあります。
無理をせず、自分たちのペースで“心地よさ”を一緒に探っていく時間を持つことも、立派なフェムケアです。
POINT:ゆらぎやすい時期だからこそ、安心して寄り添える相手の存在が大切
実際の声 | 「フェムケアを始めてよかった」

「フェムケアって、心に余裕を与えてくれるものなんだと気づいた」
「フェムケアを意識するようになって、パートナーとの距離も少し近づいた気がする」
共通していたのは、「やってみたら、なにより私自身がラクになった」という意見。心と体を軽くしてくれる力がフェムケアにはあるのです。
フェムケアが「まだまだここから!」と思わせてくれる

鏡の前で、ちょっとため息が出る日もあるかもしれません。でも、フェムケアは私たちに自信をくれる、ポジティブなケアです。
難しく考えすぎず、できることから少しずつ習慣にしていきたいですね。
まとめ | フェムケアで、50代がもっとポジティブになる

日々の暮らしの中で「自分を大切にする」ことの積み重ねのひとつがフェムケアです。
フェムケアは、年齢や環境に縛られず、私たちが自分の手で選び取っていけるケア。そのひとつひとつが、心と体を軽やかにし、自己肯定感をそっと育ててくれます。
私たちにとって“第二のスタートライン”となる50代。「もっと私を、心地よく生きる」——その一歩を、今日からはじめてみませんか?
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